当社のホームページをご覧いただきありがとうございます。
第二回目は『ログハウスのデメリット』についてお話させていただきます。
ログハウスも当然ながらメリットもあればデメリットもあります。
デメリットも理解した上で、今後のログハウス建築の参考にしていただけたら幸いです。
①雨漏れのリスクがある
②外部塗装を中心としたメンテナンスが必要
③木の乾燥収縮による調整(セトリング)や割れ、反り
④ホコリや汚れが付きやすい
⑤気密性が確保しづらい
■雨漏れのリスク
ログハウスと聞くと、良く「雨漏れは大丈夫?」「ログの隙間から外が見える」など多くの質問をいただきますが、ログハウスにおける雨漏れとは皆様が考えている雨漏れとは大きく異なります。
まず、ログハウスにおける雨漏れとは一般的な屋根や天井からの雨漏れではなく、ログ壁のノッチやグルーブからの雨染み(雨漏れ)の事を言います。
↑実際の雨染み(雨漏れ)の写真です。
これは、ログハウスの構造(組み方)に起因するもので、決して施工ミスや瑕疵とは異なります。
ログハウスの構造は木材を井桁状に組み上げて施工し、かつ一般住宅のように防水シートや外壁材などの施工をしない為、雨水に対してのカバーをしていない状態となっています。しかしながら、各ログハウスのメーカーや設計者はそんな構造体の仕組みだからこそ雨水に対して一般住宅以上に試行錯誤して、より雨水が侵入しないような施工方法や細かな仕組みを常に検討しています。逆を言えばログハウスにおいて「どんな雨水対策をしているか?」というのは、各メーカーの大きな強みのひとつと言えます。
雨水に対しては、気象状態や建築地の状況によることも大きいですが、間取りや建物の形状にも大きく影響する為、設計段階からしっかりと検討しながら進める必要があります。
■外部塗装を中心としたメンテナンスが必要
ログハウスを長持ちさせるには完成後のメンテンナンスがとても大切です。その中でも『メンテナンス=塗装工事』と言ってもよいくらい重要かつ大切なメンテナンスが外壁塗装工事です。
無垢材の使用を主とするログハウスは当然ながらそのままにしておくと、雨水や褪色により数年で外壁含め木部の表面から傷みが現れます。
ではログハウスはどのように保護をするのでしょうか?
答えは『塗料』です。
↑ 参考写真:再塗装前の外壁写真(完成~約8年・・・油性の浸透性塗装にてメンテナンス)
↑ 参考写真:全面塗装後の外壁写真(再塗装の際は・・・水性の塗膜塗料を使用)
それだけ!?と思う方もいらっしゃると思いますが塗料、つまり塗装メンテナンスを定期的に行うことこそがログハウスを長持ちさせ何十年、時には何百年と維持していくことに繋がります。
では定期的なメンテナンス塗装とはどれくらいの頻度か
主に5つの塗装場所を示します。
① 1Fログ外壁・・・(2年)
② 2F木部(ログ)外壁・・・(3年)
③ 1Fウッドデッキ・・・(1年)
④ 2Fウッドバルコニー・・・(2年)
⑤ 軒天(軒裏)・・・(6年)
上記はあくまで私の経験をもとにしたメンテナンス頻度です。
(建築地の状況や、建物の形状により塗装年数は変わります)
もちろんメンテナンスにはコストも時間もかかりますが、マイホームを手間暇かけて自分の手で守っていくという点では、ログハウスは年数が経つにつれて大切なコレクションになっていきます。
■木材の乾燥収縮による調整(セトリング)や割れ、反り
ログハウスの大きな特徴として「セトリング」と呼ばれる現象があります。
これは、乾燥によるログ材の収縮と丸太(ログ材)の自重により、ログ壁が下がってくる現象です。一般的に樹齢が長い丸太ほどセトリングは起こりづらいといわれています。
セトリングは建築地の気候や冷暖房環境などにより異なりますが、通常3-5年ほどで大部分は収まるようです。
一般的にはハンドカットログハウスでは4~5%、マシンカットログハウスでは2~3%下がると言われています。初めて聞く方には「壁が下がる????」と住まいとして大丈夫なのかと不安になる方もいると思いますが、ログ壁は下がる事で自重も下がりより強固に安定した建物となる為、構造上全く問題ありません。
またログハウス建築にはセトリングに対して、しっかり対策をした施工をしなくてはいけない為、十分に知識を持った専門の設計士によるデザインや専属大工(ビルダー)が施工することは必須になります。
■ホコリや汚れが付きやすい
これは説明するまでもなく、ログ材の凸凹の上部にホコリが溜まりやすく細かく掃除することは一苦労です。
外部も同様にログ材上部には汚れが溜まりやすくなります。
また木材の表面はザラザラしている為、ホコリ含め汚れも付着しやすくなります。ログハウスを建築される多くのお客様は「ログハウスに住むのだから多少の事は全く問題ありません」と暮らしを楽しむ事に重点を置いている為、それもログハウスだからとポジティブに捉える方がほとんどです。
万一気にされる場合はハンドカットのような丸太材は非常にホコリや汚れが溜まりやすくなる為、マシンカットログハウスをおススメします。
■気密性が確保しづらい
ログハウスの気密性が確保しづらい大きな要因は2つあります。
1つ目は「セトリング」です。
セトリングを考慮した家作りをするため、ログハウス建築では間仕切り壁や室内ドア、外部サッシの上部に隙間を設けセトリングによるログ壁の下がりを吸収します。
つまり、隙間をもうけないといけない建物である為どうしても気密工事に対して不利になります。
2つ目は「グルーブやノッチ」です。
そもそもログハウスはログ材を横に組み上げるだけで壁を構成している為、通常の住宅建築のように柱の外側に気密シートやテープにより覆う事が出来ません。よってログ材の乾燥収縮や木材のねじれによりグルーブやノッチ部分にごくわずかな隙間が出来てしまいます。
これはマシンカット(特にラミネートログ)のような製材された角材であれば、均一化した商品の為、互いのログ材通しのグルーブが上手く密着して極力隙間の無い状態を作る事が可能ですが、ハンドカットログハウスはログビルダーがチェンソーにより重なりあうグルーブを加工する為、気密状態にすることは恐らく不可能です。