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第一回目は『ログハウスのメリット』についてお話させていただきます。
…家づくりは選択の連続です。
これは大小関わらず、ハウスメーカーの選定からお金のこと、屋根材、外壁材、床材、キッチン、お風呂……項目を挙げれば多種多様な選択があります。
そこで大切なことは、それぞれのメリット・デメリットを知る事です。
では、そもそもログハウスのメリットって何ですか? という点でログハウス専門の建築士の視点からお話させていただきます。
①優れた調湿性(夏は涼しく、冬は暖かい)
②木の香り(暮らしに自然を感じる)
③構造耐震性(地震に強い)
④耐火性・耐久性(実は火に強く耐久性が高い)
⑤音質効果(防音効果、音響効果)
■優れた調湿性(夏は涼しく、冬は暖かい)
これは一般に「木が呼吸する」という事に起因しています。
ログハウスは「夏は涼しく、冬は暖かい」と言われますが、これは夏の湿度が高い時期には木が空気中の水分を吸収し、逆に冬の寒い時期には水分を与えてくれるからです。
人は室内環境が快適か否かを判断する場合には、室内温度と湿度に大きく影響されます。
例えば梅雨の時期を思い出して下さい…
気温は真夏のように暑くなくても湿度が高い為にジメジメして不快と感じ、逆に真夏でも湿度の低いカラっとした天候の時期は外気温に対して快適と感じたりします。
つまり人は温度だけでなく、湿度に対しても大きな影響を受けています。
ではこれをログハウスに当てはめてみると、ログ材のもつ調湿機能により、人が快適と感じる手助けを年間を通して、機械設備なく行ってくれる事にあります。私はログハウスの一番のメリットは?とご質問をいただいた時は迷わず「優れた調湿性」と開口一番にお答えをさせていただくほどです。
追加で…暮らしに役立つ情報として、天候の悪い場合に室内干しをする際はログ材が洗濯物の水分を吸収してくれる為、非常に乾きが良くお施主様から喜びに声を多数いただきます、是非お試しください。
■木の香り(暮らしに自然を感じる)
ログハウスに使用する木材の代表例としては
フィンランドパイン(北欧松)、ウエスタンレッドシダー(米杉)、ダグラスファー(米松)、国産杉(スギ)、国産桧(ヒノキ)があります。
木材には、フィトンチッドというリラックス効果をもたらす成分が含まれています。
フィトンチッドとは、絶えず侵入してくる虫や細菌から身を守るために、樹木が自ら作り出し発散している物質で、木の香り・色などのもとになる成分でもあります。
そのフィトンチッドがもたらす香りが住む人にリラックス効果を与え、心地良いと感じる空間となります。ログハウスはその木材の使用量も他の工法に比べ圧倒的に多く、それが「ログは木の香りがいいね」と誰もが口にする特徴になっています。
また木材の種類が変わればその成分も変わる為、香りも全く違うものになります。
国産桧の香りは思い浮かべる方も多くいると思いますが、杉や松にもそれぞれに香りがあり、ちなみに私は「ウエスタンレッドシダー(米杉)材」の香りが好きです。
細かい表現は難しいですが、甘い木の香り が何とも心地よいものです。
■構造耐震性(地震に強い)
ログハウスの構造を考える上でまず知っておくべき事はログハウスの組み方です。
皆さんがご存知の通りログは丸太(角材)を井桁に組み上げていき、交差部はノッチ、上下に重なりあう部分はグルーブと言い各所に重なった木材通しがズレないような加工を施しでいます。また丸太(角材)を横積みにして1本1本をダボでしっかりつなぎ合わせログ壁全体が一体構造となるような構造体となっており、ログ材の摩擦力とダボの組み合わせによる抵抗力は、大変大きな減震効果をもたらしてくれます。
ログハウスが地震に強いことは、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、そして記憶に新しい東日本大震災など、 これまでの巨大地震による倒壊事例なしという結果で実証されています。
また、構造強度を表す耐震性能でも等級3を取得することも可能な為、一般住宅と同様な耐震性能を持ちながら、ログハウスならではの組み方による構造強度を合わせた地震に強い建物として認知されています。
■耐火性・耐久性(実は火に強く耐久性が高い)
耐火性に関して…
火災現場の跡、家屋は全焼していても柱と梁が黒く残っているのを見た事があると思います。木は燃えやすいというイメージがありますが、実は太い木材は燃えにくいのです。
その理由は、木は燃えると表面に炭素の層ができるため、酸素の供給を遮断する為、ある一定以上の燃えしろを過ぎると燃焼が内部まで及ぶ前に消えてしまうことが多いのです。これは実際に建築基準法でも「燃えしろ設計」という考え方で認知されています。さらにログハウスは、ログを積み重ねている構造のため、より燃えにくくなっています。ログハウスは、万が一、火災になっても類焼を極力おさえてくれ、逃げる時間や消火時間に余裕がもてます。そのうえ、ログ材をはじめ、建材のほとんどに木材を使っているログハウスでは、新建材や化学物質などによる有毒ガスも発生しません。
以前、市街地でログハウスを建てるには、建築基準法で一定以上のセットバックが必要で敷地狭い市街地では建てづらい状況でしたが。耐火実験等を重ねる事でログハウスも「防火認定」を取得し、防火規定のかかるほとんどの市街地でログハウスの建築が可能になりました。
耐久性に関して…
木は腐るというイメージから、ログハウスの建築寿命が短いと感じている方も多いと思います。
歴史を振り返ると日本で最初のログハウスである正倉院は759(天平宝字3)年。1400年以上も経っているということは、木が耐久性に大変優れている建物であることを、如実にあらわしているといえるでしょう。ログハスウとは違いますが、京都にある法隆寺を代表とする木造建築が今でもその姿カタチを形成しているのは木の耐久性に起因するものです。
木は伐採後、時間が経過するほど強度が増していくことが知られており、ちなみに100年かかって育った木は、伐採後100年後に最も強度が出てくるといわれています。また、木は腐りやすいイメージがありますが、木が腐る原因を取り除けば腐ることはありません。
腐る4つの要素は、水分、酸素、温度、栄養。そのひとつでも欠ければ、腐朽菌は活動できません。つまり腐る要素を理解しつつ設計、防腐塗料によるメンテナンスを怠らなければ、ログハウスはいつまでも美しい風合いを保つことができるのです。
■音質効果(防音効果、音響効果)
ログハウスは一般住宅と違い、壁面が密度のある厚い木を連続させて構成されている事や、木のもつ性質として雑音を吸収する吸音材の働きもある為室内空間は防音効果があります。
また、ハンドカットのような丸太が作り出す表面デザインや、マシンカットでも凸凹した壁面により、壁自体が反射板となり音の音色を美しくする働きもあります。
ログハウスは、ピアノを含む楽器の演奏や、ホームシアターなどにも大変適した住まいとなります。